房総の魚たち・陸っぱり釣り師の備忘録

房総の陸っぱりを中心とした釣行と、釣魚料理の記録。釣りのジャンルは、浮きフカセ、シーバス、陸から少し離れたボート釣りなど。これまで釣った房総の魚たちを紹介する「房総釣魚図鑑」や、エッセイなどもアップしていきます。

ハゼの甘露煮

釣ったハゼで甘露煮を作りました。今回使ったハゼは、8cmくらいのものを33尾。

①鱗とはらわたをとったハゼを素焼きに。多少焦げてもいいので、頭から食べられるくらいにしっかり焼く。↓ ↓ ↓

②焼いたハゼを1~2日干して、「ハゼの焼き干し」の完成。↓ ↓ ↓③焼き干しを、お茶と昆布で一晩戻す。上:戻す前。下:戻した後。↓ ↓ ↓

④戻し汁に水200cc、酢大さじ3杯加え、汁がなくなるまで煮る。↓ ↓ ↓⑤煮汁(酒100ml、しょう油50ml、砂糖50g、みりん大さじ3)を加えて、弱火で汁がなくなるまで煮る。↓ ↓ ↓⑥完成!↓ ↓ ↓ 甘露煮をどれも同じ味と言うなかれ。ハゼの甘露煮は、濃厚な出汁の旨みを身にまとっておりますゾ。

コラム:甘露煮とは

 甘露煮とは、簡単に言えば一度焼いた魚を煮る料理である。手間をかけ、砂糖をふんだんに使ったこの料理は、昔は贅沢品だったことだろう。わざわざ焼いてから煮るのは、頭や骨を柔らかくするためである。骨は、焼く、揚げる、圧力鍋で煮るなど、高温で加熱すると柔らかくなる。焼いてから煮れば、煮る時間を短縮できるし、身も崩れない。今回はハゼを頭からむしゃむしゃ食べられるくらいまで良く焼いた。こうすれば、煮て骨を柔らかくする必要はないので、味付けのために煮るという気持ちでいられる。骨を柔らかくするため、酢や梅干し入れて煮るなどの手段はあるが、良く焼くのが一番だと思う。

 つらつら調べると、ハゼの甘露煮は、干してから焼いたり、焼いてから干したり、干さずに焼くだけだったりと、作り方はまちまちだった。ハゼは「焼き干し」が有名なので、今回は焼いてから干し、それを戻して煮ることにした。イメージした甘露煮に仕上がったので、正解だったと思う。一つだけ言えば、昔ながら味付けではあるが、しょう油はもっと少なくてもいいと思う。ハゼの「焼き干し」はみそ汁や雑煮の出汁に使われたり、骨酒に供されたりしている。また、ハゼの顔は翁(老人)に似ていることから、ハゼの甘露煮を長寿祈願の縁起物として、正月に出すところもある。