これまで「芝浜」「松膳」を紹介してきましたが、今回は「山ちゃん」です。勝手ならが、この3店を「蘇我の3名店」と呼ばせていただきます。蘇我の呑み助の常連さんたちとしゃべっても、およそ異口同音のことをおっしゃいます。
「山ちゃん」は創業が古く、「吉田類の酒場放浪記」でも紹介されております。「山ちゃん」の名物といえば「重ね」です。一丁豆腐にもつ煮込みをかけ、刻んだ玉ねぎをひとつかみ。これで600円。ただ、これがメインのお店かというと、必ずしもそうではないです。人気は日替わりの安くて盛りの良い刺身や魚介です。この日はカツオのたたきをいただきました。ホワイトボードに書かれた日替わりの品は見る見る売切れていきます。「山ちゃん」はできるだけ早い時間に行くのがコツです。
さて、ここまで「重ね」や刺身の話をしてきましたが・・・。私がこのお店で一番旨いと思うのは、実は「焼き魚」です!注文してから金櫛を打って、カウンター正面の炭火グリルで焼き始めます。焼き上がるまで、たっぷり20分。塩振って焼くだけの料理が、こんなに旨くなるのかと、まじめに焼き魚の概念が変わりました。この日は、メバルを頼みましたが、魚はカマス、イサキ、アジ、イワシなど日によって変わります。
焼くまで時間がかかるので、最初に注文しておいて、飲みながら焼き上がるのを楽しみしております。