房総の魚たち・陸っぱり釣り師の備忘録

房総の陸っぱりを中心とした釣行と、釣魚料理の記録。釣りのジャンルは、浮きフカセ、シーバス、陸から少し離れたボート釣りなど。これまで釣った房総の魚たちを紹介する「房総釣魚図鑑」や、エッセイなどもアップしていきます。

馴染みの店③ イベント終えて、

およそ7年前、マラソンを走る仲間とサークルを作った。おととしくらいまでは、一緒に大会にエントリーしたり、旅ランに行ったり、駅伝に出たりしていたが、徐々に走る回数が減ってきた。監督だった人が名古屋に転勤になったり、各人の仕事が忙しくなったり、理由は諸々あるが、結局のところ飽きたのだと思う。

走らないが、よく集まって飲む。ただ飲むのもつまらないので、三崎でマグロを食おうとか、ボーリングをしようとかいう運びになる。この流れで、今回は釣りに行こうということになり、私が企画を担当した。ちなみに、釣り企画は7回目で、もはや釣りサークルと化した感はある。

今回は「釣った魚をたねに、天ぷら屋で一杯やる」という趣向だ。たまたま私は小さな天ぷら割烹店を知っていた(※)。大将に釣り企画を持ちかると、あっさり了解してくれた。日にちを決めると、段取りは次のようになった。釣りが終わって陸に上がったら、何がどれだけ釣れたか、ショートメールで送る。3時ごろまでに、店のわきの所定の場所にクーラーボックスを置く。時間をつぶして、5時ごろ再来店するというものだ。

大将は、行くところがないなら店を開けてもいいよ、といってくれた。しかし、私は料理に集中してもらいたくて、5時にこだわった。釣りが終わった後、家に招いて宴会というのを何度かやったけど、調理する側(すなわち私)は修羅場になるからだ。あとで大将も「5時で良かった。早く来てもらっても何も出せなかった」と言っていた。

料理は素晴らしかった。刺身、天ぷら、フライ、しめ鯖。張り合うつもりはさらさらないが、釣魚料理もプロがやるとここまで洗練されるのかと、正直驚いた。この店に案内した私の面目も大いに立った。5時から9時くらいまで飲んで、4人で22,000円。友人は「そんな値段はあり得ない、どうせお前が後で払うのだろう」と疑っていた。後日聞いたら、大将は「もらうものはもらってるよ。まあ、(材料は)持ち込みだからね」と、さらっと言ってのけた。

いずれにしても、面倒な仕事をこなしてくれた大将には感謝である。今後も頻繁に足を運ぶことこそが礼だと勝手に思うことにする。

(※=拙稿「赤ちょうちんデビュー」参照)