房総の魚たち・陸っぱり釣り師の備忘録

房総の陸っぱりを中心とした釣行と、釣魚料理の記録。釣りのジャンルは、浮きフカセ、シーバス、陸から少し離れたボート釣りなど。これまで釣った房総の魚たちを紹介する「房総釣魚図鑑」や、エッセイなどもアップしていきます。

ボクシングの階級の話し

昨日、井上尚弥が見事、スーパーバンタム級王者のタイトルを手に入れました。階級を上げた初戦が世界タイトル戦で、しかも2団体統一チャンピオンです。これで、ライトフライ級、スーパーフライ級、バンタム級に続く4階級制覇です。彼は、フライ級をスキップしているので、実質5階級です。

ここで、ちょっと分かりづらいボクシングの階級の話しをしたいと思います。ボクシングの階級は全部で17に分かれています。名称を軽いクラスから並べると、ミニマム、フライ、バンタム、フェザー、ライト、ウエルター、ミドル、クルーザー、ヘビーの9つです。

原則、一階級が二つに分かれていいます。

 ***級
 スーパー***級

以前は、

 ジュニア***級
 ***級

だったのですが、「ジュニア」は「格下の」「正規でない」という語感があり、1998年に改正されました。以前の「ジュニアバンタム級」は、現在の「スーパーフライ級」になります。さて、名称が9で、それが二つずつなら、2×9=18階級では?と疑問に思うかもしれませんが、実際は17階級です。例外があるのです。

◆例外その1
「ミニマム」級に「スーパーミニマム」級はない。その代りに、「ライトフライ」級がある。よって、フライ級のみ、ライトフライ、フライ、スーパーフライの3つに分かれる。ミニマム=最小ですから、最小は一つにしたいという気持ちは分りますね。合理的です。

◆例外その2
「ヘビー」級に「スーパーヘビー」級はない。これは「ボクシングの最強はヘビー級」という伝統を壊したくないという、極めて情緒的な理由からです。モハメド・アリや、マイク・タイソンはヘビー級の選手でした。言葉の上としても、過去の伝説を差し置いて、スーパー(超)ヘビー級を作ることはできなかったのです。その解決策として、クルーザー級を登場させました。どういうことかというと・・・。

法則に則って言えば、

 ヘビー級
 スーパーヘビー級
 マキシマム級 

になるはず。もしくは、

 ライトヘビー級
 ヘビー級
 スーパーヘビー級

でもいい。でも実際は、

 ライトヘビー級
 クルーザー級
 ヘビー級

なんですね。唐突にクルーザー級が出現します。ライトヘビーとヘビーの間に、独立した階級があるのは何とも奇妙ですが、すべては「ヘビー級」という金看板を守るための措置です。不合理ですけどね。

17階級を並べると以下の通りです。イレギュラーなところに色を付けました。井上選手は②~⑥の範囲でチャンピオンになったわけです。すごいですね。

ミニマム級、②ライトフライ級、③フライ級、④スーパーフライ級、⑤バンタム級、⑥スーパーバンタム級、⑦フェザー級、⑧スーパーフェザー級、⑨ライト級、⑩スーパーライト級、⑪ウエルター級、⑫スーパーウエルター級、⑬ミドル級、⑭スーパーミドル級、⑮ライトヘビー級、⑯クルーザー級、⑰ヘビー級

 

【雑談】「ジュニア***級」が廃止されたのは、上述の通りです。一方で、「スーパー***級」ならではの、ややこしさが発生しております。「ライト級」と「スーパーライト級」どっちが軽いの?問題です。もちろん、「ライト級」<「スーパーライト級」ですが、言葉の意味は「軽量級」と「超軽量級」なので、「ライト級」>「スーパーライト級」に思えてしまいます。実際、帰国子女の友人は、スーパーライト級の方が軽いはずと譲りませんでした。

私:「だったら、スーパーミドル級はどうなるんだよ?」

彼:「そりゃお前、『誰がどう見ても中くらいな人』のクラスだろ。中肉、中背、中年で、眼鏡を掛けたサラリーマンとか(笑)」