釣った魚を肴に一杯やるには、何はなくとも「美味い日本酒」、これが欠かせません。最近では日本酒の味の評価は、日本酒度=糖度(辛口:キレがある、甘口:まろやか)と、酸度(濃醇:コクがある、淡麗:さっぱり)を組み合わせて、「淡麗辛口」などと表現するようになっております。甘い、辛いだけで表現できないという点は賛成ですが、それがコク(酸度)といわれても・・・。迷子になった私は、ある時点で、数字で美味い酒を探すのは諦めました。そもそも日本酒度と酸度が表記されている酒の方が少ないですし、日本酒度や酸度に特段の特徴がなくても、美味い酒はあるのです。
かと言って、獺祭、田酒、鳳凰美田、而今、十四代といった名高い地酒は、美味いですが高いです。高清水、一ノ蔵、酔鯨、八海山といった全国ブランドは手堅いですが、できれば冒険して「無銘の政宗」たる地酒に巡り合いたい。
では、安くて美味い酒を飲むにはどうすれば良いでしょうか。私はコツをつかんで以来、ほとんど外さなくなりました。簡単です。注意するのは次の2点だけです。この2つを守れば、素人でも値段関係なく美味い酒が飲めます。
<失敗しない日本酒の選びのコツ>
①「純米」の酒を選ぶこと。
②「要冷蔵」の酒を選ぶこと。
①は純米であれば、純米酒でも純米吟醸でも純米大吟醸でも特別純米酒でもokです。華やかなフルーティさや軽さをもとめると精米歩合の高い吟醸や大吟醸になりますが、純米でも美味い酒はたくさんあります。逆に言うと、大吟醸は高いから美味くて当たり前、香り高くて当たり前ですが、純米酒で良いのに当たると「安くて美味い」と感動します。
②は「要冷蔵」というシールが貼ってあるものや、ラベルに「要冷蔵」と書いてあるもので、当然、冷蔵庫に入って売っています。「要冷蔵」のメリットは「酵母が生きている」という意味と、「温度管理がされている」という意味があります。元サッカー選手の中田英寿さんは国内250か所以上の酒蔵を訪問したそうで、日本酒はワイン以上に温度管理が重要と指摘しています。
注意してほしいのは①と②を兼ねているものを選ぶということです。「要冷蔵の純米酒(純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、特別純米酒)」です。
こういう酒を買うには、大きな冷蔵庫に日本酒を蓄えている店を探さねばなりません。私は、銀座の君嶋屋、新橋の酒蔵信州、ビックカメラ有楽町店などを徘徊して、日本酒を買っています。